当チョコレート工房について

1 はじまり

 それは2014年9月にはじまります。

 母が突然脳梗塞に倒れ、救急隊のみなさまや病院スタッフのみなさまのおかげで命は取り留めましたが、右半身不随という重い後遺症が残りました。

 そこではじめて気づいたのです。病院は、病気を治してくれるところで、予防してくれるところではないということを。

 その日から、C&C Factoryがはじまりました。人間の体について自分の体も使いながら日々猛勉強がはじまります。母の麻痺が少しでも軽くなること、そして一人でも多くの人が脳梗塞等の病の心配のない健康で笑顔で暮らせることを夢見て。

 そして、ある日、本でカカオが血管によさそうだということを知ることとなります。カカオ成分の多いハイカカオのチョコレートも体にいいかもしれないということは、それは意外なことでした。

2 「体にいい=おいしくない」?

 自分たちは体にいいものはおいしくないという「体にいい=おいしくない」というイメージを勝手に思い込んでいました。

 「治療食じゃないんだから健康な人に美味しくない治療食のような料理はおかしいよ!」と、あるシェフに言われ「体にいい=おいしい」が可能なハイカカオのチョコレートとの出会いは、本当にありがたいものでした。

 おいしくて健康になれる!

 (今はおいしくないものは基本的には体に不必要なものだという認識させていただいています。)

 その日から、ハイカカオのチョコレートを母のために買い集めました。まったく面識のないエクアドルに住む日本女性に日本では買えない(今はありがたいことに日本でも買えます。)栽培から製法までこだわったチョコレートをメールだけのやり取りだけで送っていたこともあります。

 カカオニブを分けてもらえないかとチョコレートを作っている人のところに頼みにも行きました。

 チョコレートココア協会にもチョコレート業界では知らない人はいない方に紹介いただき、カカオ成分の学術的成果も教えていただきました。もちろん正しい製法技術についても同時に教えていただきました。

3 ハンドメイドチョコレート

 そして多くのチョコレート業界の人に関わらさせていただいているうちに、ある人に、自分たちで作ってみれば、と言われたことをきっかけに自分たちでもハイカカオチョコレートを作りたくなりました。

 作ろうと決心してから製品になるまで多くの時間がかかりましたが、まったくの素人の自分たちに、根気よく見捨てることもなくご指導いただいたみなさまのおかげさまで製品化に成功することができました。

 これらのことは奇跡としかいいようがありません。根気強くご指導いただいたみなさま本当にありがとうございます。

(試作段階で、奇跡的に横浜の有名なパティシエの方にご試食いただきく機会を得、「おいしい。このままで商品化されればいいんじゃないですか。」とコメントをいただけたのも、自分たちの背中を大きくおしてくれた奇跡です。)

4 コーヒーとの出会い

 C&C Factoryの「C」は、カカオの「C」とコーヒーの「C」です。(会社のロゴマークには「カカオ」と「コーヒー」をデザインさせていただきました。)

 そのもう一方のコーヒーの「C」のお話になります。

 チョコレートを作るようになり、生産国についても勉強することになりました。

 そうするとみなさまご存じのとおり、チョコレートのカカオ豆の生産地とコーヒーのコーヒー豆の生産地は、よく似た地域で作られているということを知ることになります。

 そして、同じ地域のもの同志、合うのではないかというのがはじまりで、社名とするとともに商品としてもチョコレートとともに製品化させていただきました。

これが当工房のはじまりの物語です。長文を最後までお読みいただきありがとうございました。

ありがとうございます。感謝しています。

C&C Factory 代表 山田 久美子

C&C Factory の目指すところ

そのような経過ではじまったチョコレート工房です。

大切な人に食べていただけるよう、カカオ豆をひとつひとつ選別し、焙煎した後もひとつひとつ丁寧に皮をむき、ここでも選別し、いいものだけをチョコレートの製品として使わさせていただいています。

例えば茶室。

茶室の掃除は亭主がやらなければいけないそうです。人にやらせるのではなく、飛び石の石を客が来る前に亭主自ら雑巾で拭く。

すると、目線が下がります。虫の目線になるということだそうなのですが、そうしないとわからないことがある。そういうことがたくさんあると思うのです。だからではないですが、当工房ではひとつひとつ丁寧に皮をむく。

コーヒー豆も同様です。

ひとつひとつ。


それで、上の写真。

シェフがひとつの鍋に一人つきっきりで一つの料理を作られるように、

シェフがいちから食材を選び・仕入れ、それを最高の状態に仕上げられるように、

シェフが料理だけでなく、一つの幸せな楽しい時間・空間の提供を考えぬかれているように、

シェフに限らずもの作りをされている多くの人たちの思いと尊敬を忘れないように自分たちにとっては大切な写真。


そんな工房のオリジナル手作り和三盆チョコレートと濃厚チョコレートテリーヌ、

こだわりのスペシャリティ自家焙煎珈琲を

ご賞味いただければ幸いです。